自由席が廃止される4特急では往復割引など従来の各種割引切符も廃止し、インターネット予約「えきねっと」での割引に統一するという。
指定席券との差額で500円ほど高くなるが、JRは「えきねっと」割引拡大で利用客負担を抑えるという。早期予約では今の自由席より安いケースも想定する。
人手不足が深刻なJRにとって、車内検札が不要になるなど、乗務員の作業負担が緩和され、省力化や経費削減にもつながることが想定される。
加えて、指定席の売り切れが減ることで、高齢者や障害者などが冬の寒いホームに早くから並ばなくても確実に座席に座れるようになるほか、多様な運賃が利用できることは、乗客の利便性の向上になる。
在来線特急の自由席廃止はJR東日本、西日本でも既に導入し、ネット予約も主流となっている。
生産年齢人口の減少により、ネットを活用した効率化を行わなければ、本州のJRであっても、経営が成り立たない時代である。
ネットを使い効率的に予約する乗客にはそれに応じた運賃を、これまでどおりの発券を希望する乗客にはその人件費に応じた運賃を設定せざるを得ない時代となっている。
全道に鉄道の莫大な資産を持ち、そのための人材を多く抱えるJR北海道であればなおさらである。
詳細な制度設計は明らかになっていないが、事前予約できなかった場合の立ち席割り引きや短区間の乗車などにおける乗客の利便性の確保をはじめ、運休振り替えや年末年始、お盆の混雑といった場合への対応を万全なものとし、JRの乗客の利便性向上と経営改善の両立を積極的に進めてもらいたい。
(参考)