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-きたのひと新聞-

社説を読んで バスの運転手不足。持続可能な都市に生まれ変わらないと

北海道内のバス路線の廃止が相次ぐ

北海道内のバス路線で廃止や減便が相次いでおり、主要バス会社20社のうち半数の10社が今年減便を行っています。
 夕鉄バス(夕張)は夕張市など南空知5市町と札幌市を結ぶ計3路線を先月末廃止した。北海道北見バス(北見)は7月から平日運行する便の12%に当たる65便を減便しています。
 札幌市でも例外ではありません。12月から北海道中央バスが札幌中心部に乗り入れる路線を中心に590便で廃止、減便を含めた見直しが行われ、12路線が短縮されました。

理由は深刻な運転手不足

 原因は、深刻な運転手不足にあります。北海道バス協会加盟の運転手数は昨年5,496人で30年前のピークから3割減り、高齢化も進んでいます。
 バス運転手の年収は全職種平均より1割以上低いといい、若手採用は苦戦をまぬがれません。2024年には労働時間上限や休息を義務付けといった2024年問題が待ち受けています。

対策はあるか

 名寄市では11月から人工知能(AI)活用型のオンデマンドバスを運行しています。効率的に走らせるため、利用者の予約に基づき、最適な経路をAIに算出させるそうです。
 十勝管内上士幌町などで取り組みが進む自動運転バスも、9月から苫小牧市が中心部で実証運行を始めています。
 いずれも先端技術で人手不足を補う試みで、好事例が全道に展開していくことを期待したいです。
 また、同じく運転手不足に悩む物流業界と協力し、オホーツク管内斜里町の斜里バスでは、今年から路線バスに宅配物を乗せて運ぶ「貨客混載」をヤマト運輸と連携して始めているようです。

根本的な解決にはコンパクトシティ化と必要な路線の見極めが必要

 そういった対策の一方で、運転手が不足し、運ぶべき集落の人口も減少していく中で、これまでの路線を維持することはできないことを受け入れていかなければならないはずです。
 限られた人的資源で維持すべきバス路線を冷静に見極め、将来の地域像、都市像を各市町村と道が共有し、持続可能なコンパクトシティを早急につくり上げねばならないでしょう。
(参考)