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-きたのひと新聞-

普天間基地の辺野古への移設

普天間基地辺野古移設問題

沖縄県普天間飛行場を名護市の辺野古に移設する工事は、沖縄県が地盤改良工事の設計変更を承認しないために一部区域での工事がストップしていました。

国は設計変更を承認しない沖縄県を相手取って、承認するよう提訴していましたが、2023年9月の最高裁判決で国の訴えを認め、沖縄県に承認するよう求めました。

しかし、沖縄県はこの司法判断に背いて、承認を行いませんでした。

法に基づき行政を行うべき沖縄県が判決に従わないという極めて異例な事態が生じ、国はさらに、県に代わって国が代執行するために提訴しました。

2023年12月に裁判所は12月25日までに承認するよう県に命じましたが、これも沖縄県は拒否しました。

最終的に国は代執行という形で、県に代わって承認を行ったというのが、最近の辺野古問題の流れです。

なにが問題か

沖縄県の玉城知事は、辺野古への移設に反対し、辺野古への移設を条件とせず無条件での普天間基地の返還を要求しています。

そして、それを公約として知事選を勝ち抜いたことから、これを県民の民意として、承認を行いませんでした。

沖縄県には、国内の米軍施設の7割が集中していて、基地を減らしたいという気持ちは理解できます。

しかし、行政機関が法律や司法の判断に従わなければ、国は成り立ちません。

移設反対という自らの主張を通すために法にも判決にも背くというのでは、玉城氏には行政の長としての資格はありません。

設計変更の承認が出て

設計変更の承認が下りたことから、国は辺野古で中断していた工事に着手し、石材の投入を行いました。

一部のメディアでは、「代執行は地方自治の趣旨に反する」「話し合いで解決すべき」という記事を書いていますが、まず、世界一危険ともいわれる普天間の危険性除去を進めることが一番大切で、それを進めながら、話し合いすることがベストな選択肢です。

辺野古へ移設することで、普天間基地を返還するという日米合意を取り付け、沖縄県の理解を得て工事に着手するまでにどれだけの時間と労力がかかったかを思い出すべきです。

今一度、検討したとすれば、また数十年単位で時間がかかることでしょう。

玉城知事には様々な思いがあると思いますが、行政の長として、よりよい判断をしてもらいたいところです。

これから

国の計画では、移設の完了は2030年代半ば以降と、まだ10年以上の工期がかかるとされています。

工事中に予期せぬ事態が起これば設計変更が必要となることも想定されますが、そうなれば、沖縄県が設計変更の承認を行わないことで、改めて訴訟となることもおこりえます。

日米合意から30年近く経過しても、普天間基地の返還は、いまだ実現していません。

国は積極的に返還に向けて県民に理解を求め、工事の速度を上げてもらいたいと思います。

 

 

(参考)

www.hokkaido-np.co.jp