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-きたのひと新聞-

朝鮮半島情勢について考える

きな臭さが漂い続ける朝鮮半島

北朝鮮は11月に軍事偵察衛星を打ち上げたのに引き続いて、今月はICBMの火星18号を発射しました。

高角度で打ち上げられたため、飛距離は1,000キロほどでしたが、効率的な角度で発射すれば、10,000キロ以上の飛距離となるとみられ、アメリ東海岸までを射程距離に収めるものと推定されています。

しかも、ミサイルは、燃料を事前に充填して保管しておける固形燃料式のため、短時間で発射できることから、発射を事前に把握することが困難です。

衛星打ち上げもICBM発射も明白に国連安保理決議に違反している行為ですが、国際社会の決定を一切順守しない国が着々と軍事能力を高めていることは由々しき事態です。

韓国の対応は

このように国際社会に挑戦し続ける北朝鮮に対し、韓国はどのような対応をしているでしょうか。

文在寅政権時代は、軍事的な挑発を受けても、北朝鮮との融和をアピールするような姿勢を見せていましたが、今回の衛星打ち上げ、ICBM発射を受けて文政権時代に締結した軍事合意の一部を停止し、偵察飛行を再開しました。

北朝鮮は偵察飛行する能力が乏しいので、この部分は一方的に韓国の手かせ足かせになっていたものです)

国連安保理決議という、戦争でなく話し合いで秩序を保とうという国際社会の意思を無視する以上、力での抑止は欠かせないものでしょう。

気を付けなければならないこと

日本としては(韓国も、ですが)、北朝鮮アメリカ全土を攻撃できるICBMを持ち、そこに核弾頭を搭載できるようにならないようにしなければなりません。

日本はアメリカの核の傘の下にいますが、北朝鮮が核ミサイルを保有すると、核戦力を保有する国同士で、抑止関係が発生してしまいます。

北朝鮮アメリカが攻撃してきたら核を使う。だからアメリカは北朝鮮に攻め込めない。

アメリカは北朝鮮が攻撃してきたら核を使う。だから北朝鮮アメリカに攻め込めない。

そういう関係が成り立ってしまいます。

そういったときにどのようになるか、というと、それがロシアとウクライナの関係になります。

ロシアは核を持っていますが、核を持つアメリカやNATOとは戦えません。

でも、核を持っていないウクライナには攻め込めます。

そして、アメリカやNATOは核を持つロシアとは直接戦えないので、軍事支援をウクライナに提供しています。

これと同じことが日本でも起きることを想定しないと…

北朝鮮が核ミサイルを少数持つだけでアメリカがそれを監視下に置けているのであれば、まだ日本にかけられているアメリカの核の傘は有効でしょう。

しかし、潜水艦発射型ICBMのようにどこにあるか、いつ発射するかわからないようになるとか、数が多すぎて把握できない、という事態になれば、核の傘は信頼が乏しくなります。

そうなったとき、日本は自分の国をどう守るか、しっかりと考えていかなければなりません。

最近の防衛装備のあせったような前倒し取得や防衛費の増額を見ていると、もう政府にはアメリカの傘が期待できない時期がはっきりと、しかもすぐそこに来ているのがわかっているのかもしれません。

 

(参考)

www.asahi.com