自衛隊員の靖国参拝についてのメディア報道の違和感 内心の自由を尊重しよう
陸上自衛隊幹部の靖国参拝
陸上自衛隊の小林弘樹陸上幕僚副長ら数十人が、東京都の靖国神社を集団で参拝しました。
小林副長は陸自の航空事故調査委員会の委員長で、参拝した数十人は、その委員会の関係者で、昨年4月に陸自ヘリコプターが沖縄県・宮古島周辺で墜落した事故の安全祈願が主な目的だったそうです。
小林副長らは時間休を取得したうえで、私服で行動し、私費で玉串料を収めて参拝しました。
新聞各紙はどう反応したか
自衛隊隊員だろうと、公務員だろうと、ふつうの国民であろうと、どの神様、仏さまを信じようと、信じまいと内心の自由は最大限尊重されるべきです。
勤務時間中であればともかく、休暇取得中に神社を訪れることについては、制約されるべきではありません。
これについては、数社が下記のように社説を出していました。
(社説)陸自靖国参拝 旧軍との「断絶」どこへ:朝日新聞デジタル
社説:陸自幹部ら靖国参拝 組織的な行動は不適切だ | 毎日新聞
<社説>陸自靖国参拝 歴史観問われる軽挙だ:北海道新聞デジタル
朝日新聞や毎日新聞、北海道新聞は、批判の内容を見てみると政教分離の観点から、部隊としての参拝や参加の強制は通達で禁止されているとして、これに違反しているのではないか、と書いています。
この通達は、隊員それぞれの信教の自由に配慮して、部隊として、強制しての参拝は禁止としているにすぎません。
であれば、自発的に参拝することについて、後ろ指さされるようなこともありません。
朝日新聞は、
この規律に違反する疑いがあるとして、防衛省が調査に乗り出したのは当然だ。毎年の恒例であったのか、隊員の内心の自由に反して、事実上参加を迫るようなことはなかったか、きちんと調べて明らかにしてほしい。
と書き、隊員の内心を白状させるような調査を求めています。
さらに、
朝日新聞は、時の首相や閣僚ら政治指導者の参拝を、戦争への反省を忘れ、過去の正当化につながるものだとして厳しく批判してきた。
自衛隊の幹部や部隊による組織的な参拝にも同様の懸念を持たざるをえない。帝国陸海軍が敗戦で解体された後、民主主義体制の下で再出発したのが自衛隊である。人脈や文化など、旧軍の伝統との継続性も指摘されるが、基本的な理念、役割は、戦前と「断絶」しているはずだし、そうあらねばならない。
と自身の独自のお気持ちを基に、今回の参拝を断罪しています。
そして、最後に再び、
として社説を締めくくっています。
リベラルってなに
メディアがわざわざあの人は、あそこに参拝した、と批判的に報じることは、内心の自由を踏みにじる行為そのものものだと思います。
朝日新聞や毎日新聞、北海道新聞といった、リベラルの立場に立つメディアがこのように個人の内心とそれに基づく参拝行為をことさら批判することについて、違和感を感じます。
リベラルな立場であればこそ、誰がどこに私的に参拝しようと許容すべきで、内心の自由を束縛するような行為こそ慎むべきではないでしょうか。
それなのに、ことさら強制がなかったか調査しろ、というのは、腑に落ちません。
多様性を尊重しなければならないのは、LGBTや在日外国人だけではありません。
ふつうに生きている国民みんなの多様性を尊重できるメディアになってほしいです。
(参考)