北海道電力の泊原子力発電所の再稼働問題
北海道電力の泊原子力発電所の再稼働に向けた審査は10年以上行われていますが、一向に再稼働のめどが立っていません。
広くて人口がまばらな北海道で、ある程度の水準の電気料金を実現していた要因の一つが原子力発電です。
そのため、福島第一原発の事故のあと、泊原発が停止したことや、その後のエネルギー価格の高騰を受けて、北海道電力は家庭向け電力の値上げを続けています。
過去の改定率を見ると、以下のようになります。
実施年月 |
改定率 |
平成25年9月 |
7.73% |
平成26年11月 |
15.33% |
令和5年6月 |
23.22% |
単純に計算すると平成25年9月以前の料金の1.5倍以上になっていることがわかります。
(1.0773×1.1533×1.2322=1.53)
北海道に住む人たちはこれだけ高い料金を支払い続けているのです。
北の国にとっての電気とは
北海道の冬は札幌でも最高気温がプラスにならない真冬日となる日が幾日も続きます。
寒い地域にいけば、マイナス二けたといった気温になることも珍しくありません。
胆振東部地震では丸2日以上電気が止まるブラックアウトを経験していますが、これがもし真冬であれば、家庭の暖房は止まり、全道的に命の問題に直結します。
ブラックアウトは主力の火力発電所が止まり、水力発電所の送電線が切れるなどによって電力供給が追い付かなくなったためおこっています。
ブラックアウト再発防止のカギは 北電が期待する原発再稼働と送電網 [北海道]:朝日新聞デジタル
このときに泊原発が稼働していれば、電力供給力に余裕があったため、ここまで大規模な停電は起こらなかったと言われています。
ほくでんのがんばりどころ
その後、北海道電力はブラックアウト再発防止のために送電線網の強化を行っていますが、電力供給量を増やすことについては、泊原発の再稼働が一番の特効薬です。
とはいえ、再稼働に向けた審査に対するほくでんの姿勢はお粗末なものです。
委員会が指摘した議論を理解できる専門家がおらず、議論がかみ合わないこともたびたび起こっています。
そして、今回も
泊原発審査では規制委が2021年7月に「敷地内活断層がない」と確認するまで2年半かかり、火山対策の論議は中断していた。
だが再開後に北電は最新の火山の知見を反映しない5年前と同じ資料を提出し、規制委から安全意識の欠如を指摘されていた。資料差し替えで本格的に審理が始まったのは昨年1月のことである。
5年前の資料をそのまま出せる神経が疑われます…。
がんばれほくでん!がんばってくれ。
この先、千歳にはラピダスの半導体製造工場が建設されます。半導体製造には豊富で良質な安定した電気が必要です。はやく泊原発の再稼働にめどをつけ、道民の命に直結する電力の安定供給と、ふところを温める電気料金の値下げを期待しています。
(参考)