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-きたのひと新聞-

北海道のエネルギー問題を考える

寒さの厳しい北の大地こそエネルギーを真剣に考えないと。

全国的に寒さの本格化するなか、私の住む北海道でも冬本番の冷え込みが訪れ、大雪による交通の支障も発生しています。

寒いところだからこそ、暖をとるためのエネルギーは重要です。

氷点下の環境の中で、ストーブに入れる灯油がない、暖房に使う電気が止まる、ということになると、健康な大人であっても、そのまま生命の危険につながりかねません。

北海道の地域新聞の社説

今日、北海道最大の新聞部数を誇る北海道新聞にエネルギー問題についての社説が出ていました。

社説によると、北海道では、2030年に36~38%を目指すという再生エネルギーの電源比率の目標をすでに達成しているようです。

そうしたうえで、陸上風力発電計画で環境問題で住民と対立して撤退するケースや地熱調査でヒ素を含む水蒸気が噴出して環境汚染したケースに触れて、発電量の変動対策や本州と結ぶ送電網の増強、道内での強靭化といった取り組みを進めるようにと書いています。

国のエネルギー基本計画

国のエネルギー計画では、2030年度の電源構成のうち再生エネルギーを36~38%、原子力を20~22%で非化石燃料で59%程度を賄うこととしています。

そのことにより、2019年度には76%を占めていた化石燃料を41%に引き下げるという計画になっています。

であれば、北海道ですでに目標に到達しているのであれば、再生エネルギーにこだわる必要はありません。

やみくもに再生エネルギーを増やしても、電力需要と供給のバランスが取れなくなり、九州、中国、四国の電力会社で起きたように再生エネルギーの出力制限を行うことになります。

北海道はどうしたらよい

従来、札幌のような都市と泊原発のような発電所を容量の大きな送電線で結んでいましたが、再生エネルギーの適地がその送電線に隣接していない場合は、発電量に見合った送電線を整備する必要があります。

そうすると、当然その整備費用は電気料金の上乗せ分として消費者が負担しなければなりません。

再生エネルギーが増えれば、火力発電所は閉鎖できるから相殺できるんじゃないか、と考えるのは早計です。

雨や雪の日、夜間の電力を賄うためには、発電量を柔軟に変えられる火力発電所を残し続けなければなりません。

これ以上、太陽光発電を増やすと、消費者は送電線の整備費用と火力発電所の維持費という重荷を二つ抱えることになります。

再生エネルギー事業者は、出力制限で設備の能力を十分に生かすことができなくなり、経営にも影響が出るでしょう。

つまり、もう北海道では再生エネルギーを増やすことはマイナスはあっても、プラスはない状況に達しています。

そういえば、泊原発ってどうなっている?

泊原発は再稼働に向けて、審査を受けていますが、申請から10年たった今も、専門的な議論ができる専門家の不在が指摘されるなど、北海道電力の社内体制の弱さが目立っています。

北海道電力社長 審査長期化の泊原発3号機“審査に全力で臨む” | NHK | 各地の原発

しかし、エネルギー計画でも20%のシェアを占める原子力発電です。しっかりと審査を受けて、ふたたび発電する日が来ることを待ちたいと思います。

 

(参考)

www.hokkaido-np.co.jp