異次元の少子化対策は出てこないのに、異次元の高齢者支援がでてきた!
異次元の少子化対策は?
今年の1月、岸田首相は「少子化問題は待ったなしの課題」で「こども政策を体系的に取りまとめた上で、6月の骨太方針までに将来的なこども予算倍増に向けた大枠を提示していく」といって、異次元の少子化対策に取り組むと話をしました。
それからもう1年近くたつのに、異次元といえる対策は出てきていません。
少子化対策はでてこないうちに出てきたびっくりダマ
そんななかで驚くニュースが出てきました。
アルツハイマー病のお薬「レカネマブ」が保険適用になるというニュースです。
認知機能の低下を止めるのではなく、進行を抑えるお薬で、「27%の進行抑制効果が確認された」といいます。
レカネマブの何が問題?
問題は、その薬の値段です。
体重50キロの方が1年使うと、年間300万円かかるというのです。
後期高齢者であれば原則1割負担ですが、高額療養費制度を利用すれば、自己負担額は10万円を下回る可能性もあります。
残りの金額は後期高齢者の医療保険から支払われますが、後期高齢者の制度は高齢者自身が支払う4倍のお金を現役世代が負担し、5倍を税金で負担しています。
ということは、300万円のうち、10万円を本人が自己負担し、30万円が保険料、120万円を現役世代が負担、140万円を税金で賄っているということです。
それだけの金額をかけながら、薬の効果は、進行を遅らせるだけ。
進行が遅くなれば、家族と有意義な時間をより多く過ごせて、良い思い出を作ることもできるから、遅くすることには価値がある。
けれど、それだけのお金をかけて保険適用にする価値があるのか、判断が分かれると思います。
高齢者向けのサービスと子ども向けのサービスを比べてみよう
高齢者は、デイサービスで送迎してくれるけど、保育園は仕事前に親が連れていき、閉まるまでに仕事を片付けてお迎えに行かなきゃならない。
障害がある子供が通学するときも送迎してくれる学校は少なくて、親が送迎するのが基本になります。
1人に1年で300万円、と思うと、子育て支援にももっと振り向けてもいいのではないかと思います。
あいかわらずセンスのない岸田政権
政府の内部でも議論したうえでの結論でしょうが、これを出したときに国民がどう感じるか、そういうことを全く考えない岸田首相のセンスは唯一無二です。
せめて、同じタイミングで異次元の少子化対策を打ち出せば、子育て世代の心にも温かいものが流れたでしょうに。
いつになったら異次元の少子化対策が出てくるんでしょうか…
(参考)